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見て、触れて、感じた“液状化”──防災が他人ごとから自分ごとに変わる瞬間

先日、鳥取環境大学で開催された防災フェスに参加した際にあった体験ブース。
“防災と言わない防災”をモットーにして活動されている【防災サークルmu-TUES】のみなさんが
「液状化現象」について体験を催されていました。

液状化する様子の実験

今回のブースでは、タッパーの中に湿った砂が敷き詰められ、その上にミニカーや、電柱に見立てた木の棒、さらには瓦礫に見立てた木の枝が隠されていました。
案内してくださったスタッフの方の説明を聞きながら、
実際にそのタッパーに衝撃を与えてみると……
砂の中からじわじわと水が浮き上がってきて、
地面のように見えていた砂が突然不安定な状態へと変わっていきました。

ミニカーはゆっくりと沈み始め、
木の棒は支えを失って倒れ、砂の中に隠れていた瓦礫に見立てた木の枝が表面に浮かび上がってくる様子は、
見ていてゾッとするほどリアルでした。

この実験を通して、私たちが「当たり前」だと思っている地面が、地震によって突然不安定になり、
建物や道路、暮らしそのものを脅かす存在になってしまうことを、身をもって体感することができました。
ただ机上の知識として「液状化は危険」と聞くよりも、
こうして自分の目で見て、手で触れて、変化を感じることで、その恐ろしさやリアルさが何倍にも増して伝わってきました。

さらに、液状化が起こりやすい場所についても学ぶことができました。
ブースには鳥取県内の地図が掲示されていて、川沿いや埋め立て地、海に近い地域など、
液状化のリスクが高い場所が色分けされていました。
自分の住んでいる場所がどうなのかを照らし合わせながら、
「災害は他人ごとではなく、自分ごととして考えないといけないんだな」と思いました。

私自身、今まで地震は何度か経験してきましたが、
幸いなことに避難所での生活や津波による被害など、大きな影響を受けたことはありません。
でも、だからこそ、こういった体験の機会がなければ、
防災について深く考えることもなく、
どこか他人事のように感じてしまっていたのかもしれません。

体験を通して学ぶことで、防災は「難しいもの」「専門的なこと」ではなく、
「日常の延長線にあるもの」として身近に感じられるようになりました。

フェス全体を通して、知識だけでなく、
「感じること」「考えること」「備えること」の大切さを、改めて心に刻むことができました。
この体験が、今後の自分の防災意識を支える土台になってくれる気がしています。

実験の様子の動画はこちらから:https://www.youtube.com/watch?v=WzTg6d1aT9c 

 

(writer:ヒラタ イロリ/Osaka)

 

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