無線通信機器大手のアイコム株式会社が、
全国の中学校向けに開発した
「無線機を使った防災訓練の教育プログラム」のデモ授業を取材しました。
同社は、世界初の水に浮く無線機や、
衛星無線機の開発など、世界的にも高い技術力を誇る企業です。
阪神・淡路大震災から30年を経て現在、
同社は「自社だからこそできる社会貢献」として、
大規模災害時における無線機の価値を広める取り組みを進めています。
スマートフォンなどのコミュニケーションツールの利用が一般化する中で、
中学生を対象に無線機を活用した防災訓練を実施し、
「コミュニケーション手段はスマートフォンだけではない」という気づきを得られる防災教材を開発されたそうで取材にお伺いしてきました。

本教材は南海トラフ地震などの大規模災害を想定しており、
生徒は避難者を捜索する役や食料を確保する役などに分かれ、
トランシーバーを用いた実践的なコミュニケーション方法を学びます。
約50分の授業の中で、
機器の基本的な操作方法の説明からロールプレイングのルール説明、実践、振り返りまでを行い、
体験を通して災害時における無線機の重要性を理解できる構成となっています。
また、座学や説明には動画や発問を取り入れることで、
生徒が飽きずに取り組める工夫がされています。
学校の1コマに収まるよう要点を絞り、災害時に本当に必要な知識に焦点を当てた、メリハリのある授業が展開されています。
参加した生徒は、初めて触れる無線機に興味を持ちながらも、
簡単な操作方法により短時間で使いこなしていました。
無線機特有の会話方法についても、
説明と実践を通じて効果的な使い方を学んでいる様子が印象的でした。
特に、【人命に関わる重要な情報は二度繰り返して伝える】という点は、
災害時において非常に重要な知識であると感じました。
スマートフォンの利用が主流となっている現代において、
本取り組みを通じて中学生の段階から災害時に役立つ実践的な経験を得られることには、
大きな意義があると感じました。
現在は中学生を対象としたプログラムですが、
今後は高校や防災施設への展開も検討されているそうです。
免許や資格がなくても通信が可能であり、
操作も比較的容易な無線機は、
将来発生が懸念される大規模災害に備え、人命をつなぐ選択肢を広げる手段の一つです。
今後もこの取り組みがさらに広がり、防災意識の向上につながることが期待されます。
Writer:オカダリンカ(Osaka/ https://www.instagram.com/loeyn__ )





